Japanese
English
症例報告
リツキシマブ単独投与が有効であったと考えられたメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例
A case of methotrexate-associated lymphoproliferative disorders treated with rituximab monotherapy
天野 愛純香
1
,
仁熊 利之
1
Asuka AMANO
1
,
Toshiyuki NIGUMA
1
1国立病院機構東広島医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Higashihiroshima Medical Center, Higashihiroshima, Japan
キーワード:
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患
,
Epstein-Barrウイルス
,
リツキシマブ
Keyword:
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患
,
Epstein-Barrウイルス
,
リツキシマブ
pp.1087-1092
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205274
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 68歳,女性.初診7年前より関節リウマチに対し,メトトレキサート(MTX)投与を受けていた.初診8か月前より下肢を中心に痂皮を伴う結節が出現し,徐々に増加した.左下腿に蜂窩織炎を発症したため前医に入院し,MTXを中止の上,抗菌薬治療を行われた.経過中,硬膜外膿瘍を合併したため当院神経内科へ転院となり,皮膚病変に関して当科を紹介受診した.四肢に大豆大までの結節が散在しており,左下腿には皮膚潰瘍を伴っていた.血液検査では可溶性IL-2レセプター(sIL-2R),血中Epstein-Barr(EB)ウイルスDNA値が軽度上昇していた.病理組織像ではCD20陽性B細胞を認め,in situ hybridizationではCD20陽性B細胞にほぼ一致してEBER陽性であった.以上よりメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断した.MTX中止後も皮疹の改善に乏しく,MTX中止後6週目にリツキシマブ単独投与を開始し,計4クール施行した.リツキシマブ投与後,潰瘍は縮小,結節も消退し,EBウイルスDNA値も正常範囲内に復した.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.