Japanese
English
症例報告
耳介の皮疹,嚥下障害を認めた舌咽,迷走神経領域帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster of the glossopharyngeal and vagus nerves with ear eruption and disphagia
八代 聖
1
,
笠井 弘子
1
,
河原 由恵
1
,
鈴木 成尚
2
,
中嶋 緑郎
3
Kiyoshi YASHIRO
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
,
Narihisa SUZUKI
2
,
Rokuro NAKAJIMA
3
1けいゆう病院皮膚科
2けいゆう病院耳鼻咽喉科
3けいゆう病院内科
1Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Otolaryngology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Internal Medicine, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
嚥下障害
,
嗄声
,
舌咽・迷走神経領域帯状疱疹
,
耳甲介
Keyword:
嚥下障害
,
嗄声
,
舌咽・迷走神経領域帯状疱疹
,
耳甲介
pp.339-342
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205040
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要約 71歳,男性.嚥下困難を主訴に来院した.初診時,左耳甲介に痂皮が付着し,体幹には痂皮化した丘疹が散在していた.上部消化管内視鏡検査にて,咽頭,喉頭,食道壁に白苔を付着し線状に配列するびらんを認め,血清中の水痘帯状疱疹ウイルスIgGは128 index以上であった.神経麻痺を伴う舌咽,迷走神経領域帯状疱疹と診断し,アシクロビル,ステロイド点滴投与を行い,嚥下障害は改善した.耳甲介は耳介の後面から前面に向かう顔面神経支配として知られるが,迷走神経の唯一の体性知覚枝である耳介枝による知覚神経支配も受けている.したがって,耳甲介に皮疹を認める帯状疱疹では,顔面神経麻痺のみならず,嚥下困難や味覚障害,嗄声などの症状を生じうる舌咽・迷走神経麻痺に留意すべきと考えた.
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