特集 悪性上皮系腫瘍
耳介軟骨の切除を伴う右耳甲介の基底細胞癌に対し分層植皮術を施行した1例
水野 真希
1
,
帆足 俊彦
1
,
市山 進
1
,
田中 真百合
1
,
伊藤 路子
1
,
藤本 和久
1
,
船坂 陽子
1
,
佐伯 秀久
1
1日本医科大学,皮膚科学教室(主任:佐伯秀久教授)
キーワード:
基底細胞癌
,
耳甲介
,
分層植皮術
Keyword:
基底細胞癌
,
耳甲介
,
分層植皮術
pp.1395-1398
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000156
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80歳,男性。4カ月程前より自覚した右耳甲介の皮疹を主訴に近医を受診し,当科を紹介受診した。生検にて小結節型基底細胞癌と診断し,腫瘍辺縁から5mm離し耳介軟骨を含めて切除し,右大腿部より採皮した分層植皮術により再建した。耳介の腫瘍の切除後再建においては,部位の特性から整容面が特に重要である。軟骨の切除を伴う耳介部基底細胞癌の再建法としては皮弁術の選択が一般的であるが,高度な技量を必要とする。自験例では植皮術を選択した。術後の拘縮・変形はなく,強度も問題なく経過は良好である。耳輪の温存ができれば,植皮術による再建法は手技が容易であり選択肢のひとつとなりうると考えた。
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