Japanese
English
症例報告
発汗障害を認めた帯状疱疹の1例
A case of disturbance of sweating in a patient with herpes zoster
井上 桐子
1
,
佐藤 洋平
1
,
平原 和久
1
,
早川 順
1
,
塩原 哲夫
1
Kiriko INOUE
1
,
Yohei SATO
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
発汗
,
帯状疱疹後神経痛
,
zoster sine herpete
Keyword:
帯状疱疹
,
発汗
,
帯状疱疹後神経痛
,
zoster sine herpete
pp.896-899
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102441
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要約 45歳,男性.免疫異常や神経ブロックの治療歴はない.右上肢の違和感に引き続いて同部の発汗過多が出現し,1週間後,同部に有痛性の紅色皮疹が一過性に出現した.同時に上半身に両側性に散在する紅色皮疹を認めた.しかし,当科初診時には右上肢の皮疹はすべて消失し,同部の疼痛と右上半身の乾燥,発汗反応の低下を認めるのみであった.水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)IgG抗体価の上昇と,紅色皮疹の生検組織でVZV DNAを検出したことから,汎発性帯状疱疹と診断した.自験例は,帯状疱疹が原因不明の分節型減汗症の原因の1つであることを示唆している.帯状疱疹後に発汗障害を呈する例は,これまでHorner症候群を呈した場合以外ほとんど報告されてこなかったが,実際には見逃されている可能性が高い.
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