特集 どんと来い,肺がん診療―それぞれの立場で患者を支えるために
[Chapter 2] 肺がん治療に伴う全身症状:どんと来い,他科症状・他科疾患
[耳鼻咽喉科領域]嗄声,嚥下障害
藤崎 綾衣子
1
,
上羽 瑠美
1,2
1東京大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2東京大学 摂食嚥下センター
キーワード:
嗄声
,
嚥下障害
,
反回神経麻痺
,
リンパ節転移
Keyword:
嗄声
,
嚥下障害
,
反回神経麻痺
,
リンパ節転移
pp.255-260
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_255
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
★★★肺がんの原発巣や転移リンパ節が反回神経に浸潤すると,嗄声(声がかすれる)が生じる.
★★肺がんにより反回神経麻痺が生じた場合,声帯の固定位によって嗄声の程度が異なる.声帯が外側で固定するほど発声しにくく,最大発声持続時間が短くなる.
★嗄声が重度の場合,肺がん治療中であったとしても声帯内注入治療や喉頭形成術を行うことで改善が期待できる.
★★肺がんによって反回神経麻痺が生じた場合,嚥下時も声門閉鎖が不良になるため,食事中に誤嚥しやすくなる.声門閉鎖不全に対する外科的治療介入により,食事中のむせが軽減する.
★★★肺がん患者の嚥下障害に対して,嚥下機能に応じた食事摂取や嚥下訓練が推奨される.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
© Nankodo Co., Ltd., 2025