Japanese
English
症例報告
猫からの感染が考えられたMicrosporum canisによる体部白癬の1例
A case of tinea corporis caused by Microsporum canis from cats
佐藤 之恵
1
,
西本 和代
1
,
大内 結
1
,
深澤 奈都子
1
,
鈴木 亜紀子
1
,
吉田 哲也
2
,
佐藤 友隆
1
Yukie SATO
1
,
Kazuyo NISHIMOTO
1
,
Yui OUCHI
1
,
Natsuko FUKASAWA
1
,
Akiko SUZUKI
1
,
Tetsuya YOSHIDA
2
,
Tomotaka SATO
1
1国立病院機構東京医療センター皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,National Hospital Organization Tokyo Medical Center,Tokyo Japan
2Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
猫
,
リボゾームRNA遺伝子のITS領域塩基配列
Keyword:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
猫
,
リボゾームRNA遺伝子のITS領域塩基配列
pp.73-76
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102792
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要約 44歳,女性.初診の2週間前より鼻部,頸部,両前腕に掻痒を伴う落屑性紅斑が出現し,受診した.猫11匹を飼育しており,うち2匹に脱毛斑があった.患者鱗屑からのKOH直接鏡検では多数の真菌要素を認めた.また,患者鱗屑と猫2匹のヘアブラシ法による真菌培養で糸状菌が分離された.分離菌を形態学的所見と分離菌のリボゾームRNA遺伝子(rDNA)のITS(internal transcribed spacer)領域塩基配列結果と合わせてMicrosporum canisと同定し,自験例を猫から感染した体部白癬と診断した.患者,猫ともに治療し,室内の十分な掃除や感染に関与すると思われる寝具やマットの洗濯などの居住環境の整備を行い,再発なく経過している.再発予防のために真菌培養を中心とした感染源の特定が必要である.
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