症例
多形紅斑を伴ったMicrosporum canis による白癬の1 例
矢野 優美子
1
,
吉田 哲也
1
,
深田 彩子
1
,
佐藤 友隆
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター,皮膚科(主任:吉田哲也医長)
キーワード:
Microsporum canis
,
人獣共通皮膚糸状菌
,
テルビナフィン塩酸塩
,
白癬疹
,
体部白癬
Keyword:
Microsporum canis
,
人獣共通皮膚糸状菌
,
テルビナフィン塩酸塩
,
白癬疹
,
体部白癬
pp.2037-2040
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000410
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28 歳,女性。3 カ月前より四肢に瘙痒を伴う紅斑が出現し,近医でステロイド外用が開始されたが症状が増悪したため,ステロイド内服が追加された。4 日前に真菌感染症が疑われ,抗真菌薬内服・外用が開始されたが改善しないため,当科を受診した。四肢に環状落屑性紅斑のほか,浮腫性多形紅斑がみられ,右前腕の落屑性紅斑からKOH 直接鏡検で菌糸を認めた。多形紅斑は真菌陰性であった。飼い猫に脱毛斑を認め,ヘアブラシ法による真菌培養でMicrosporumcanis を分離し,落屑性紅斑は体部白癬,多形紅斑は白癬疹と考えた。患者はすべての皮疹に抗真菌薬を外用していた。診断確定のための培養同定と患者への外用指導が重要と考えた。
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