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書評 —著:東 禹彦—爪—基礎から臨床まで—改訂第2版
山本 俊幸
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1福島県立医科大学皮膚科学講座
pp.1003
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204931
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本書は,爪診療の巨匠である東禹彦先生が2004年に執筆した「爪—基礎から臨床まで」を,今回十年ぶりに改訂されたものである.それに際し,僭越ながら書評を書かせていただく機会をいただいた.
いうまでもなく,著者の東先生は長年爪疾患をご自身のライフワークとされてこられた.本書は,爪の解剖学や生理学的なデータも網羅されており,辞典のようにしても長年重宝されてきた.今年の日本皮膚科学会総会の教育講演,爪の見方・治し方のセッションで総論を話された安木良博先生(前 都立大塚病院皮膚科部長)にも,世界に誇る成書であると絶賛されていた.基礎的なデータとともに,ご自身の臨床経験から得られた膨大な臨床写真は,見るものに訴えかけてくる.また,本書を見ると,初めて聞く病名も多数あり,爪疾患の病名がこんなにもたくさんあるのかと感じさせられる.本書を通読するだけで,自分たちも爪の見方が一段階も二段階も向上したかのような錯覚さえ起こしてしまいそうである.
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