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白壁彦夫先生追悼特集 追悼座談会
白壁彦夫先生との思い出
Memorial Addresses
岡部 治彌
1
Haruya Okabe
1
1北里大学
pp.1717
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105620
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白壁先生との出会い:終戦の翌々年,昭和22年,私は中国大陸からの旧陸軍部隊の引き上げ列車添乗医師として,博多駅から東京駅まで同乗した.その帰途,千葉市に祖母を訪ね,一週間ほど滞在した.祖母が姪(母の従姉妹)の家に九州の先生が下宿している,遊びに行ってみたらと言われ,訪ねた先生が若き日の白壁先生であった.そのとき先生がどんな話をされたのか,今はもう杳として全く記憶にないが,私にはそれが運命の出会いであったような気がする.それから十年近く経ったころ,先生が福岡に講演に来られた.挨拶にと近寄った私を“ああ,岡部さん”と呼んでくれ,ちょっとびっくりした.その次は,昭和35年,山口市での秋季消化器病学会で先生と偶然お会いし,私の仲間と4人で半日長門峡に御一緒した.そのとき,道々二重造影法について教えていただき,福岡に帰ると,早速この方法を取り入れた.昭和38年,広門一孝,吉田隆亮両君を千葉に出張させてもらい,先生の研究室で二重造影の実際を御指導していただいた.このころから,学会時には白壁先生が中心となった若手の会が行われ,年々盛大になり,私もこの会が楽しみで必ず出席し,先生から堅い話や柔らかい話を聞いたものである.
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