Japanese
English
今月の症例
バラシクロビル投与により急性腎障害と精神神経症状をきたし透析を要した帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster associated with valacyclovir-induced acute renal failure and neuropsychological symptoms, and treated with hemodialysis
泉 祐子
1
,
上出 良一
2
Yuko IZUMI
1
,
Ryoichi KAMIDE
2
1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科
2ひふのクリニック人形町
1Department of Dermatology, Daisan Hospital, The Jikei University School of Medicine, Komae, Japan
2Hihuno Clinic Ningyocho, Tokyo, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
バラシクロビル
,
腎障害
,
精神神経症状
,
透析
Keyword:
帯状疱疹
,
バラシクロビル
,
腎障害
,
精神神経症状
,
透析
pp.653-658
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204850
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要約 86歳,女性.当院初診4日前に,近医皮膚科で右腹背部帯状疱疹と診断され,バラシクロビル塩酸塩3,000mg/日を5日分処方された.服用3日目より嘔吐し,服用4日目には歩行困難となり,見当識障害がみられ,当院を受診した.バラシクロビル塩酸塩の過量投与による急性腎障害,アシクロビル脳症と診断した.緊急で血液透析を行い,腎障害,精神神経症状は可逆的に改善した.経過中,透析前後の血液中のアシクロビル濃度を測定した.高齢者へのバラシクロビル投与では腎機能を勘案した減量と慎重な経過観察が必要である.
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