水痘および帯状疱疹ワクチン

水痘は水痘帯状疱疹ウイルス（varicella-zoster virus；VZV）の初感染の病態である．2週間程度の潜伏期を経て発熱と全身性の水疱性発疹を呈する．健康児では軽症だが，成人水痘は重症化することがあり，とくに免疫不全患者では，肺や肝などへ病変が及ぶ播種性水痘を合併することがある参考URL1）．播種性水痘は播種性血管内凝固症候群（DIC）を惹起する致死的病態であり，慢性腎臓病患者が水痘に罹患した際はリスクが高いと考えられる．水痘罹患後，脊髄後根神経節などに潜伏感染したVZVが再活性化することで帯状疱疹を発症し，免疫不全者では水痘の再感染もきたしうる．透析患者の帯状疱疹の発症リスクは非透析者と比較して約2倍高く，また，皮疹を伴わない帯状疱疹による神経障害（無疹性帯状疱疹）を生じることがあり，診断に苦慮することもある