Japanese
English
今月の症例
光線過敏を伴った菊皮膚炎の1例—経口トレランスによる治療の試み
A case of chrysanthemum dermatitis associated with photosensitivity : A trial of tolerance induction by oral administration of chrysanthemum
久松 晃
1,2
,
寺木 祐一
1
,
塩原 哲夫
1
Akira HISAMATSU
1,2
,
Yuichi TERAKI
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2静岡赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
菊皮膚炎
,
経口トレランス
,
光線過敏
Keyword:
菊皮膚炎
,
経口トレランス
,
光線過敏
pp.979-982
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901691
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48歳,男性.6年前より生花販売に勤務.数ヵ月前より両手,両上肢,顔面,頸部などの露出部に皮膚炎が生じてきた.パッチテストにて菊の花,葉に陽性を示したが,光パッチテストは陰性.以上より「菊による接触皮膚炎」と診断した.その後皮疹の新生は続いたが,夏期に皮疹の増悪を認めたため,初診時には正常であったが,再度光線テストを施行したところ,UVA, UVBにおけるMEDの著明な短縮を認めた.治療として食用菊(100g/日)をジュースにし連日投与することにより,経口トレランスの誘導を試みた.内服開始後数日間は皮疹のflare upを認めたものの,それも約3週間で軽快した.内服開始3週間後に再びパッチテストを施行したところ陽性反応の減弱を認め,経口トレランスが誘導されたことが確認された.それに伴い光線テストでも短縮していたMEDは正常化した.その後職場に復帰し同様に菊を扱うも皮疹はほとんど出現しなくなった.
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