Japanese
English
今月の症例
ポリガンマグルタミン酸によるアナフィラキシーの1例
A case of anaphylaxis due to poly gamma-glutamic acid
織田 好子
1
,
一角 直行
1
,
堀川 達弥
1
,
猪又 直子
2
Yoshiko ODA
1
,
Naoyuki IKKAKU
1
,
Tatsuya HORIKAWA
1
,
Naoko INOMATA
2
1西神戸医療センター皮膚科
2横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科
1Department of Dermatology, Nishikobe Medical Center, Department of Dermatology, Kobe, Japan
2Department of Environmental Immuno-Dermatology, Yokohama City University Graduate School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
納豆
,
ポリガンマグルタミン酸
,
クラゲ刺傷
Keyword:
納豆
,
ポリガンマグルタミン酸
,
クラゲ刺傷
pp.558-561
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204828
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要約 41歳,男性.約10年前から全身の蕁麻疹・血圧低下・呼吸困難感などのアナフィラキシー症状を繰り返し,そのたびにエピペン®の自己注射を行っていた.さまざまな病院で多数の食品のプリックテストやスクラッチテスト,血清特異IgE抗体の検査を受けたが,長い間原因不明であった.今回,納豆摂取の2時間後に呼吸困難感が生じたため,納豆およびポリガンマグルタミン酸(poly gamma-glutamic acid:PGA)のプリックテストを施行したところ,両者で陽性であった.患者はサーファーであり,過去に頻回のクラゲ刺傷歴があった.PGAは冷やし中華のスープや種々の調味料などに含まれており,自験例の過去のアナフィラキシーのエピソードの中にもそれらを摂取して発症していた可能性が疑われた.クラゲ刺傷既往のある原因不明のアナフィラキシー患者の原因抗原としてPGAを考慮する必要があると考える.
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