Japanese
English
症例報告
淡い褐色斑のみを呈しミノサイクリン塩酸塩関連血管炎との鑑別を要した皮膚型結節性多発動脈炎の1例
A case of cutaneous polyarteritis nodosa presenting faint brown macules, needed the differentiation with the minocycline-related vasculitis
松本 奈央子
1
,
畑 康樹
1
,
菅原 万理子
2
,
菅原 信
2
Naoko MATSUMOTO
1
,
Yasuki HATA
1
,
Mariko SUGAWARA
2
,
Makoto SUGAWARA
2
1済生会横浜市東部病院皮膚科
2横浜西口菅原皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama City Toubu Hospital, Yokohama, Japan
2Yokohama Nishiguchi Medical Office of Dermatology, Yokohama, Japan
キーワード:
血管炎
,
皮膚型結節性多発動脈炎
,
ミノサイクリン塩酸塩関連血管炎
Keyword:
血管炎
,
皮膚型結節性多発動脈炎
,
ミノサイクリン塩酸塩関連血管炎
pp.107-110
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204656
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要約 23歳,男性.近医で尋常性痤瘡に対しミノサイクリン塩酸塩の内服加療を受けていた.初診1か月前より両下肢に自覚症状がなく,浸潤を触れない爪甲大までの淡い褐色斑が出現した.病理組織所見では真皮脂肪織境界部の小型血管に閉塞を伴う壊死性血管炎像を認めた.血液検査所見では血沈は亢進していないもののCRPの軽度上昇を認めた.抗核抗体はspeckledタイプで160倍を示した.MPO-ANCA,PR3-ANCAは陰性であった.ミノサイクリン塩酸塩による薬剤性血管炎も疑われたが,中止後も改善しないため皮膚型結節性多発動脈炎と診断した.本症の皮膚症状は皮下結節,網状皮斑,紫斑,潰瘍,壊疽など多彩であるが,自験例は淡い褐色斑のみで網状皮斑などを呈せず,血管炎の皮膚症状としては非典型的であった.
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