Japanese
English
症例報告
びまん性潮紅と毛孔一致性丘疹を特徴としたシアナミド(シアナマイド®)による薬疹の1例
A case of cyanamide-induced erythematous eruption with hair follicule involvement
千田 聡子
1
,
古屋 亜衣子
1
,
佐藤 貴浩
1
Satoko SENDA
1
,
Aiko FURUYA
1
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校皮膚科学教室
1Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
シアナミド
,
シアナマイド®
,
脱毛
,
毛孔一致性丘疹
,
びまん性潮紅
Keyword:
シアナミド
,
シアナマイド®
,
脱毛
,
毛孔一致性丘疹
,
びまん性潮紅
pp.101-105
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204655
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 68歳,男性.アルコール依存症に対してシアナミドを内服.3か月後より前腕に丘疹が出現し次第に全身に拡大したため受診した.ほぼ全身に粃糠様鱗屑を付す潮紅と半米粒大毛孔一致性丘疹が散在し,眉毛外側と腋毛の脱毛を認めた.下腹部の生検病理組織では真皮上層の好酸球を混じるリンパ球浸潤と表皮内の個細胞壊死,さらに毛包周囲の強いリンパ球浸潤と,毛包壁の破壊像が観察された.シアナミドの貼布試験は陽性,DLSTは陰性であった.シアナミドは中止し,ステロイド外用で全身の皮疹は軽快し,2か月後には脱毛も回復した.過去の報告を含め検討したところ,臨床型は落屑性紅斑,扁平苔癬が多いが様々な臨床像を呈すること,好酸球増多を伴うことが多く,貼布試験は高率に陽性だがDLSTは陰性であることが多く,病理組織は苔癬型が多かった.脱毛をきたすことも稀でなく,毛孔一致性丘疹はシアナミドによる薬疹の特徴的所見の1つと考えられた.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.