Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎が発見されたIgA血管炎の1例
A case of IgA vasculitis initiating the diagnostic coexistence of ulcerative colitis
藤井 ひかり
1
,
久保 正英
1
Hikari FUJII
1
,
Masahide KUBO
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構東京新宿メディカルセンター皮膚科
1Division of Dermatology, Japan Community Health Care Organization Tokyo Shinjuku Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
IgA血管炎
,
アナフィラクトイド紫斑
,
潰瘍性大腸炎
,
白血球核破砕性血管炎
,
空腸炎
Keyword:
IgA血管炎
,
アナフィラクトイド紫斑
,
潰瘍性大腸炎
,
白血球核破砕性血管炎
,
空腸炎
pp.12-16
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204632
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 36歳,男性.中学生の頃から血便を自覚していたが,初診1か月前からその頻度が増していた.初診10日前より両側大腿から下腿に浸潤を触れる紫斑,両膝関節と右足関節の疼痛が出現した.病理組織学的に蛍光抗体直接法で白血球破砕性血管炎を呈し,IgA陽性であり,IgA血管炎(IgA vasculitis:IgAV)と診断した.経過中に腹痛が出現し,腹部CTで空腸に炎症を認め,IgAVに伴う腹部症状と考えた.しかし,下部消化管内視鏡検査にて直腸から連続性に発赤と潰瘍を認め,組織学的に陰窩膿瘍を伴う炎症細胞浸潤を示しており潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)の合併と診断した.プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム30mg/日の投与を開始し,著効したため漸減した.その後,メサラジン1,600mg/日を追加しステロイドを中止したが,IgAVとUCいずれも再発はない.IgAVにUCを合併した稀な症例であった.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.