特集 悪性上皮系腫瘍
ソラフェニブ投与中に生じたケラトアカントーマの1例
祖川 麻衣子
1
,
松立 吉弘
,
村尾 和俊
,
久保 宜明
1徳島大学 大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野
キーワード:
ケラトアカントーマ
,
肝細胞癌
,
生検
,
経口投与
,
鼻疾患
,
Sorafenib
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Keratoacanthoma
,
Nose Diseases
,
Sorafenib
pp.1353-1356
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373702
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
57歳男。左鼻根部の結節を主訴とした。肝細胞癌に対して4ヵ月前からソラフェニブ800mg/日を内服していたが、2週間前から主訴が出現し、急速に増大した。腫瘤は中央に角栓を伴う半球状の淡紅色結節(10×9mm大)であり、臨床所見からケラトアカントーマ(KA)を疑い全切除生検を行ったところ、病変は左右対称性でドーム状に隆起し、中央は著しい角化を伴っていた。腫瘍は好酸性ですりガラス状の細胞質を有する大型の細胞で構成され、臨床・病理組織所見、発生時期、発症部位よりソラフェニブによるKAと診断した。内服量を200mg/日に減量して治療を継続しているが、14ヵ月間KAの新生は認めていない。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.