Japanese
English
症例報告
皮疹が診断契機になった新生児ヘルペスの1例
A case of neonatal herpes diagnosed by skin lesion
高橋 奈々子
1
,
渡辺 秀晃
1
,
北見 由季
1
,
秋山 正基
1
,
末木 博彦
1
,
清水 武
2
Nanako TAKAHASHI
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Yuki KITAMI
1
,
Masaki AKIYAMA
1
,
Hirohiko SUEKI
1
,
Takeshi SHIMIZU
2
1昭和大学医学部皮膚科学教室
2昭和大学医学部小児科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pediatrics, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
新生児ヘルペス
,
中枢型
,
蛍光抗体直接法
,
再発
Keyword:
新生児ヘルペス
,
中枢型
,
蛍光抗体直接法
,
再発
pp.459-462
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204473
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要約 日齢4日,女児.切迫早産・帝王切開で出生し新生児集中治療室へ入院した.日齢0日に右下眼瞼に1個,臍部に2個の小水疱が出現し,日齢4日に当科に診察を依頼された.水疱部スメアの蛍光抗体直接法で単純ヘルぺス(HSV)-2型を検出し,髄液検査にて細胞数の上昇を認めたことから中枢型新生児ヘルペスと診断した.肝機能障害はなかった.後日,髄液からHSV-DNAを検出し,MRIで脳炎の所見も認めた.治療として初診日よりアシクロビル(ACV)60mg/kg/日の点滴加療を開始した.水疱は痂皮化し3週間でいったん投薬を中止したが,その10日後に左第2指に水疱が新生したため内服を半年間継続した.以降2年間に2回皮膚にのみ再発を認め,約1か月間ACVを内服した.後遺症として左不全麻痺を残した.本症では早期診断,治療開始が予後改善につながることから,新生児に小水疱を見た場合は本症を念頭に置いた検査が必要である.
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