Japanese
English
症例報告
新生児単純ヘルペス感染症の1例
A case of neonatal HSV infection
坂本 慶子
1
,
影山 葉月
1
,
田島 巌
2
,
谷岡 書彦
3
,
戸倉 新樹
4
Keiko SAKAMOTO
1
,
Hazuki KAGEYAMA
1
,
Iwao TAJIMA
2
,
Fumihiko TANIOKA
3
,
Yoshiki TOKURA
4
1磐田市立総合病院皮膚科
2磐田市立総合病院小児科
3磐田市立総合病院病理診断科
4浜松医科大学皮膚科
1Division of Dermatology Iwata City General Hospital, Iwata, Japan
2Division of Pediatrics, Iwata City General Hospital, Iwata, Japan
3Division of Pathology and Laboratory Medicine, Iwata City General Hospital, Iwata, Japan
4Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
新生児ヘルペス
,
無症候性排泄
Keyword:
新生児ヘルペス
,
無症候性排泄
pp.173-176
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103545
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要約 日齢9の男児.日齢3より38℃の発熱があり,日齢7頃から臍部周辺,鼻部,胸部に発赤,膿疱が出現した.膿疱部皮膚のPCR解析にて単純ヘルペスウイルス1型ゲノムが検出され,単純ヘルペス感染症と診断した.アシクロビル(30mg/kg/日)の静脈投与を14日間行い皮疹は痂皮化し,日齢12から生じた肝機能異常も改善した.母親に口唇,性器ヘルペスの既往はなく,妊娠経過中,口唇,陰部に皮疹は自覚しなかったが,出産前後に無症候性ウイルス排泄があったと推察された.日齢10前後までに新生児が発熱,水疱,肝機能異常などを示した場合,母親に性器ヘルペスの症状がなくてもヘルペスウイルス感染を念頭に置き,迅速に治療を開始する必要があると考えた.
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