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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
血管肉腫の新規化学療法
Novel chemotherapies for angiosarcoma
藤澤 章弘
1
Akihiro FUJISAWA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
パクリタキセル
,
ドセタキセル
,
パゾパニブ
,
ドキソルビシン
,
ソラフェニブ
Keyword:
パクリタキセル
,
ドセタキセル
,
パゾパニブ
,
ドキソルビシン
,
ソラフェニブ
pp.141-145
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204427
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summary
血管肉腫は軟部悪性腫瘍の1〜2%を占めるまれな軟部肉腫であるが,高齢者の頭部に好発することから,皮膚科医が知っておくべき悪性腫瘍の1つである.血管肉腫に対する治療として手術と放射線,IL-2療法などの併用が行われてきたが,有効といえる化学療法がなかったため,切除困難例や転移例では予後不良な経過をとることが一般的であった.しかし,近年血管肉腫に高い奏効率を示すタキサン系抗癌剤が登場したことで治療が変わりつつある.現在,日本ではweekly paclitaxel療法が保険適応となり,軟部悪性腫瘍に対する初めての分子標的治療薬としてパゾパニブも承認された.またドキソルビシンやソラフェニブなど他の癌腫で使用されている抗癌剤が血管肉腫に奏効する報告も増えつつあり,治療の選択肢が増えてきている.血管肉腫の治療に化学療法は必須であり,これらの新規化学療法により,予後の改善が期待されている.
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