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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
過酸化ベンゾイルの位置づけと使い方
Positioning and clinical usage of benzoyl peroxide in Japan
林 伸和
1
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院皮膚科
1Division of Dermatology, Toranomon Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
過酸化ベンゾイル
,
維持療法
,
耐性菌
Keyword:
過酸化ベンゾイル
,
維持療法
,
耐性菌
pp.90-93
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204409
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summary
過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide:BPO)は,海外では1960年代から使用されていた古くからある標準治療薬で,欧米の痤瘡治療ガイドラインでは重要な位置を占めている.その主たる作用は抗菌作用であるが,従来の抗菌薬とは異なり薬剤耐性菌を生じないことが特徴である.欧米では特に薬剤耐性Propionibacterium acnesの増加が大きな問題となっており,痤瘡の長期維持療法として使用することが推奨されている.日本でもBPOの有効性と安全性を確認する臨床試験が行われ,さらに1年間の長期使用試験も行われた.クリンダマイシンとの合剤についても3か月間の臨床試験が報告されている.その良好な結果をもとに承認申請がなされ,2014年末に承認され,2015年4月から処方可能となった.これにより,日本の痤瘡治療が海外のレベルに一歩近づいた.急性期の治療だけでなく,炎症性皮疹予防のために維持療法として定着することが望まれる.
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