Japanese
English
症例報告
経過中に小球性貧血をきたした低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症の1例
A case of zinc deficiency due to decreased zinc in breast milk followed by microcytic anemia
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
,
前田 昇三
2
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Shozo MAEDA
2
1伊勢崎市民病院皮膚科
2伊勢崎市民病院小児科
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Division of Pediatrics, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
鉄欠乏性貧血
,
離乳期貧血
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
鉄欠乏性貧血
,
離乳期貧血
pp.742-745
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204544
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要約 5か月,男児.正期産,2,988gで出生し,完全母乳哺育であった.生後4か月頃から耳介,口囲に皮疹が出現した.初診時,眼・鼻・口周囲に連圏状の紅斑と,陰囊・会陰・肛囲のびらんがみられた.血清中のアルカリホスファターゼと亜鉛値が低下していた.母親の血清亜鉛値は正常で,母乳中の亜鉛値に低下がみられ,低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症と診断した.ポラプレジング内服で皮疹は速やかに改善したが,治療中に小球性貧血が出現した.鉄剤投与により改善した経過から,離乳期貧血や亜鉛投与による鉄欠乏性貧血が複合していた可能性が考えられた.
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