Japanese
English
症例報告
MRSA膿痂疹を合併した亜鉛欠乏症
A case of zinc deficiency with MRSA impetigo
高橋 政史
1
,
岩月 啓氏
2
,
金子 史男
1
Masabumi TAKAHASHI
1
,
Keiji IWATSUKI
2
,
Fumio KANEKO
1
1福島県立医科大学医学部皮膚科学講座
2岡山大学大学院医歯学総合研究科病態制御科学専攻皮膚粘膜結合織学
1Department of Dermatology, Fukushima Medical University School of Medicine
2Department of Dermatology, Okayama University Graduate School of Medicine and Dentistry
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
膿痂疹
,
MRSA
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
膿痂疹
,
MRSA
pp.541-543
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904008
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8か月の男児.在胎27週,1,082gの極低出生体重児で出生.生後3か月頃より顔面,臀部に皮疹が出現.脂漏性湿疹の診断で加療中,皮疹の増悪,MRSA陽性の膿痂疹化がみられた.患児の血清亜鉛を測定したところ血清亜鉛は低値を示し,母親では血清亜鉛は正常であったが,乳汁亜鉛は低値を示した.低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症を基盤に膿痂疹が合併したと考えられた.亜鉛は免疫機能にも重要な役割を果たしており,慢性的な低亜鉛状態が膿痂疹の合併,皮疹の遷延化にも関与したのではないかと示唆された.
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