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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
1.最近話題の皮膚疾患
悪性黒色腫のがん遺伝子の視点から見た分類と治療の新しい展開(分子標的薬)
Genetic subgroups of malignant melanoma and new development of the treatment with molecular target therapy
髙橋 聡
1
Akira TAKAHASHI
1
1国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科
1Division of Dermatology and Dermatologic Oncology, National Cancer Center Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
分子標的薬剤
,
MAPキナーゼ系阻害剤
,
BRAF阻害剤
,
MEK阻害剤
Keyword:
悪性黒色腫
,
分子標的薬剤
,
MAPキナーゼ系阻害剤
,
BRAF阻害剤
,
MEK阻害剤
pp.31-35
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204395
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summary
悪性黒色腫のがん遺伝子の視点から見た病型分類と分子標的薬,主にMAPキナーゼ系阻害剤による治療の新しい展開と今後の展望について述べた.病型により遺伝子変異の部位や頻度に差異があり,悪性黒色腫は分子生物学的には単一の疾患ではないことが理解され,今後の治療においても個別化が必要となると考えられる.BRAF阻害剤のベムラフェニブとダブラフェニブ,MEK阻害剤のトラメチニブが米国FDAで承認され,進行期悪性黒色腫においてかつてない劇的な効果をもたらすことが可能となったが,それとともに有害事象や薬剤耐性の発現などさまざまな問題も生じている.BRAFとMEK阻害剤2剤併用により,効果増強と有害事象の軽減が確認されており,問題解決への糸口は掴んでいる.今後さらに有効で安全な治療法の確立のためには,耐性機序・副作用出現機序の解明と対策,より効果的な薬剤の併用法や投与の順番,術後補助療法の確立など,多くの課題を克服していかなければならない.
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