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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
1.最近話題の皮膚疾患
皮膚粗鬆症
Dermatoporosis
宇谷 厚志
1
Atsushi UTANI
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, Nagasaki, Japan
キーワード:
老人性紫斑
,
deep dissecting hematoma
,
星芒状偽瘢痕
Keyword:
老人性紫斑
,
deep dissecting hematoma
,
星芒状偽瘢痕
pp.21-25
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204393
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summary
本疾患は単なる老化ではなく,臓器機能不全である腎不全,心不全,肺不全などの疾患と同じく「皮膚機能不全」として認識すべきであるとの発想から提唱された.この名称は「骨粗鬆症」からのヒントを得たもので,老化,ステロイド長期内服などさまざまな理由で骨が脆くなるように,皮膚も老化などの理由で「物理的に脆くなり,場合によっては非常に重篤になる」事実を的確にわかりやすく示している.本疾患概念には,軽症である萎縮,老人性紫斑,多数の裂傷,治癒遅延を示す創傷,そして重症である深在性解離性血腫とそれに伴う組織壊死までが含まれる.本稿では,臨床像と病理を紹介する.このような症状に対して皮膚科医は,皮膚の老化(生理的な現象)であることから関心は薄いと考えられる.しかし,美容・老化に興味をもつ医師以外にも注意を喚起することは,超高齢化をむかえ本疾患患者が増加する事態に備えるという意味で重要なことと思われる.
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