Japanese
English
症例報告
刺青部の肉芽腫病変を契機に診断に至ったサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis diagnosed by granulomatous tattoo reactions
松立 吉弘
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
キーワード:
刺青
,
サルコイドーシス
Keyword:
刺青
,
サルコイドーシス
pp.121-125
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204300
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要約 59歳,男性.約40年前に刺青を施した.3か月前より刺青部が隆起したため受診した.初診時,黒,赤,緑の刺青部の色調の濃い部分に局面状に隆起する結節を認めた.病理組織像では真皮から皮下に非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽腫がみられ,内部には黒褐色顆粒を伴っていた.刺青部以外の額部,前腕,大腿部には鶏卵大までの皮下結節があり,刺青部の病変と同様の肉芽腫の組織像だった.血清ACEは44.5IU/mlと高値で,両側肺門リンパ節腫脹,肺野のびまん性小粒状影があり,経気管支肺生検で類上皮細胞肉芽腫を認めた.金属パッチテスト(鳥居薬品,17種類)は陰性だった.以上より,刺青サルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン30mg/日,アロプリノール300mg/日の投与により,皮膚病変や肺病変は改善し,血清ACEも12.7IU/mlと正常化した.複数色の刺青部に肉芽腫がみられる場合,刺青サルコイドーシスが強く示唆される.また,刺青サルコイドーシスは胸腔内病変の合併が多く,注意が必要である.
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