Japanese
English
症例報告
朱色刺青によるAllergic Dermatitisの1例
A Case of Allergic Dermatitis due to Tattooing
岩本 麻奈
1
,
秋山 真志
1
,
西川 武二
1
Mana IWAMOTO
1
,
Masashi AKIYAMA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
刺青
,
allergic dermatitis
,
水銀アレルギー
Keyword:
刺青
,
allergic dermatitis
,
水銀アレルギー
pp.401-404
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900369
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
刺青を行って10年後に,背部の朱色刺青部に一致して,瘙痒を伴う発赤,腫脹,小水疱などの皮膚炎症状を発症し,同時に顔面,項部および股部に漿液性丘疹の集簇と結節性病変をきたした1例を報告する.刺青部の病理組織所見では色素とみられる微細顆粒を貪食した多数の異物巨細胞を混じる稠密な炎症性細胞浸潤と浮腫を真皮に認めた.電顕所見では,真皮内の貪食細胞の細胞質内に電子密度の高い微細顆粒が集簇してphagosome内に存在していた.貼布試験にて塩化第2水銀が陽性を示したことから,朱色色素に含まれる水銀によるアレルギー性皮膚炎と診断した.副腎皮質ホルモン剤外用と抗アレルギー剤内服による治療を行ったところ,4週間後に朱色刺青部に軽度の浸潤を残し刺青部以外の皮疹は消褪した.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.