Japanese
English
症例報告
後天性免疫不全症候群に合併したBowen様丘疹症の1例
A case of bowenoid papulosis in a patient with AIDS
白瀬 春奈
1
,
粟澤 遼子
1
,
粟澤 剛
1
,
山本 雄一
1
,
高橋 健造
1
,
上里 博
1
Haruna SHIRASE
1
,
Ryoko AWAZAWA
1
,
Tsuyoshi AWAZAWA
1
,
Yuichi YAMAMOTO
1
,
Kenzo TAKAHASHI
1
,
Hiroshi UEZATO
1
1琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座
1Department of Dermatology, University of the Ryukyus, Graduate School of Medicine, Okinawa, Japan
キーワード:
Bowen様丘疹症
,
後天性免疫不全症候群
,
ヒト乳頭腫ウイルス
Keyword:
Bowen様丘疹症
,
後天性免疫不全症候群
,
ヒト乳頭腫ウイルス
pp.74-77
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204286
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要約 43歳,男性.2008年12月末にAIDSと診断され,2009年2月より抗レトロウイルス療法(anti-retroviral therapy:ART)が開始された.4月に陰茎亀頭部の色素沈着を自覚し当科を受診した.亀頭から包皮にかけて,一部隆起した褐色の色素斑を認めた.病理組織学的所見は表皮の肥厚,極性の乱れ,核の大小不同を認めたが,異型性は乏しかった.生検凍結組織からDNAを抽出しPCR後のダイレクトシークエンスによりHPV-31型を同定しBowen様丘疹症と診断した.ARTを継続し,皮膚病変に対しては局所治療を行わず経過観察した.皮膚病変はやがて色素沈着のみとなり,再発はない.Bowen様丘疹症は時に自然消退もみられる比較的予後の良い疾患とされているが,AIDS合併例では病変の長期化や悪性化も指摘されている.ARTを継続することで病変が改善・消退した本症例の経過は,宿主の免疫力の回復により病変が排除されたと推測され興味深い.
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