Japanese
English
症例報告
臍部に生じた悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma on the umbilicus region
小俣 渡
1
,
堤田 新
1
,
並川 健二郎
1
,
大芦 孝平
1
,
山崎 直也
1
Wataru OMATA
1
,
Arata TSUTSUMIDA
1
,
Kenjiro NAMIKAWA
1
,
Kohei OASHI
1
,
Naoya YAMAZAKI
1
1国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科
1Division of Dermatologic Oncology, National Cancer Center Hospital, Tokyo Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
臍部原発
,
リンパ節転移
Keyword:
悪性黒色腫
,
臍部原発
,
リンパ節転移
pp.78-82
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204287
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要約 56歳,男性.2か月前から臍部腫瘤を自覚した.前医で切除され,悪性黒色腫の診断で紹介された.前医受診時の臨床像は臍部に生じた1.5×1.2cmの暗赤色腫瘤であった.病理組織学的に表皮内病変は明らかでなく,真皮内に核異型を伴うN/C比の高い類円形のHMB45陽性細胞の結節状増生を認めた.臍部腫瘤の鑑別としてSister Mary Joseph’s noduleを考え内臓悪性腫瘍の精査を行ったが異常所見はなかった.臍部原発悪性黒色腫と診断し,前医の手術創より2cm離し腹膜上で切除を行った.またRI・色素・蛍光法によるセンチネルリンパ節生検を施行し,両鼠径リンパ節に各1個ずつ転移を認めた.約1か月半後に両側鼠径リンパ節郭清術を行い,右鼠径リンパ節は18個,左鼠径リンパ節は16個摘出したが,いずれも転移を認めなかった.自験例では,臍部という特殊な部位に発生し,リンパ節転移をきたしたことが重要な点である.またリンパシンチグラフィーとSPECT-CT,ICG蛍光法を用いたセンチネルリンパ節生検がリンパ節の同定に有用であった.
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