Japanese
English
症例報告
長期の光線療法中に日光角化症・有棘細胞癌が多発した尋常性乾癬の1例
A case of psoriasis vulgaris with multiple non-melanoma skin cancers after long-term phototherapy
伏間江 貴之
1
,
種瀬 啓士
1
,
綿貫 沙織
1
,
舩越 建
1
,
海老原 全
1
Takayuki FUSUMAE
1
,
Keiji TANESE
1
,
Saori WATANUKI
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
光線療法
,
皮膚悪性腫瘍
,
尋常性乾癬
,
UVB療法
Keyword:
光線療法
,
皮膚悪性腫瘍
,
尋常性乾癬
,
UVB療法
pp.69-73
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204284
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要約 64歳,男性.尋常性乾癬に対し29年前より当科で加療中.21年前よりブロードバンドUVB療法を開始し,4年前よりナローバンドUVB療法に移行した.約2年前より軀幹・四肢に角化性丘疹が多発し,脂漏性角化症として経過観察されていたが,右前腕の褐色の角化性病変が増大したため生検を実施した.表皮突起の棍棒状の延長と基底層側優位に異型ケラチノサイトが増生し,腫瘍細胞は一部真皮内へ浸潤していた.体幹部の角化性丘疹・結節を計14か所切除したところ,いずれも棍棒状に延長した表皮突起内に異型ケラチノサイトを認めた.乾癬の慢性炎症を背景として表皮細胞が癌化した場合,両者の特徴を併せ持った病理組織像を示す皮疹が生じる可能性がある.長期光線療法中の乾癬患者においては,一般的な日光角化症とは異なる皮疹を呈する腫瘍が出現しうると考えられるので注意を要する.
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