Japanese
English
症例報告
造影MRIにて血行不全による足趾の骨髄炎と考えられた1例
A case of osteomyelitis of the first toe finally diagnosed by MRI, probably due to vascular insufficiency
新田 桐子
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Kiriko NITTA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
骨髄炎
,
造影MRI
,
血管炎
,
足
Keyword:
骨髄炎
,
造影MRI
,
血管炎
,
足
pp.65-68
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204283
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要約 71歳,男性.顕微鏡的多発血管炎でプレドニゾロン(PSL)12mg/日,メトトレキサートなどを内服中.2013年4月,初診の約10日前より外傷の自覚なく右第Ⅰ趾の腫脹が出現した.初診8日前の内科ではRaynaud症状と診断されたが,その後疼痛と小潰瘍が出現したため当科を受診した.受診時,右第Ⅰ趾伸側が紅色調に腫脹し,健側と比べ皮膚温が約5℃上昇していた.屈側基部の瘻孔を認めたが,その周囲の炎症所見はほとんどなく,排液も透明で滲出液様であった.検査ではCRP陰性で尿酸値上昇があり,痛風,骨折,蜂窩織炎,骨髄炎等を鑑別に考えたが,単純X線では有意な所見がなかった.造影MRIを施行したところ,末節骨の骨髄内に増強効果があり,血管炎に伴う血行不全に続発した骨髄炎と考えられた.足に限局した高度の皮膚温上昇や瘻孔を認めた場合,症状や所見に乏しくても,骨髄炎を疑い,画像検索を行うべきである.
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