Japanese
English
特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
Clinical Dermatology 1989
II新しい検査法と治療法
遺伝子解析よりみたリンパ腫の診断法
Diagnostic DNA analysis of cutaneous lymphomas
滝川 雅浩
1
Masahiro TAKIGAWA
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu Uniyersity School of Medicine
キーワード:
菌状息肉症
,
サザンブロット解析
,
セザリー症候群
,
成人T細胞白血病リンパ腫
,
DNA診断
Keyword:
菌状息肉症
,
サザンブロット解析
,
セザリー症候群
,
成人T細胞白血病リンパ腫
,
DNA診断
pp.623-628
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204132
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菌状息肉症(MF)3例,セザリー症候群(SS)2例,成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)1例,Ki−1皮膚リンパ腫1例を含むリンパ網内系の悪性腫瘍12例について,T細胞受容体(TcR)β鎖遺伝子再構成およびHTLV−1ウイルスゲノムの腫瘍細胞遺伝子への取り込みをサザンプロット法により解析した.SS (リンパ節と末梢白血球各1例),ATL,Ki−1皮膚リンパ腫およびT細胞性皮膚リンパ腫(皮膚腫瘍各1例)から得られたDNAのEcoRI, BamHI処理検体でTcR遺伝子再構成がみられた.ATL例では末梢白血球でのTcR遺伝子再構成はみられず,皮膚原発ATLの存在が示唆された.MF扁平浸潤期2例,腫瘍期1例またB細胞性皮膚リンパ腫1例(いずれも皮膚腫瘍),急性単球性白血病1例(末梢血)では再構成はみられなかった.HTLV−1プロウイルスDNAの取り込みはATLのみに認められた.サザンプロット法によるこのような遺伝子解析は皮膚リンパ腫の診断,経過,治療効果判定,再発などについて有力な情報をもたらすものと思われる.
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