Japanese
English
症例報告
紅斑型転移性皮膚癌—Borrmann4型胃癌を原発とした1例
A Case of Metastatic Skin Carcinoma (Erythema Type) Caused from Gastric Carcinoma (Borrmann 4 Type)
野田 佳子
1
,
漆畑 修
1
,
武田 朋子
1
,
西川 律子
1
,
西脇 宗一
1
,
日野 治子
2
,
新井 功
3
,
若山 恵
4
Yoshiko NODA
1
,
Osamu URUSHIBATA
1
,
Tomoko TAKEDA
1
,
Ritsuko NISHIKAWA
1
,
Munekazu NISHIWAKI
1
,
Haruko HINO
2
,
Isao ARAI
3
,
Megumi WAKAYAMA
4
1東邦大学大橋病院皮膚科学教室
2関東中央病院皮膚科
3東邦大学医学部第3内科学教室
4東邦大学大橋病院病理学研究室
1Department of Dermatology, Ohashi Hospital, School of Medicine, Toho University
2Department of Dermatology, Kanto Chuo Hospital
33rd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Toho University
4Department of Pathology, Toho University, Ohashi Hospital
キーワード:
転移性皮膚癌
,
丹毒様癌
,
紅斑癌
Keyword:
転移性皮膚癌
,
丹毒様癌
,
紅斑癌
pp.485-489
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204105
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
①70歳,女性.胃癌(Borrmann4型)を原発として,胸,腹,腰部に自覚症状のない軽い浸潤を伴った紅斑を生じ,組織学的には真皮リンパ管の拡張と管腔内腫瘍細胞の栓塞像を認めた転移性皮膚癌の1例を報告.②紅斑を主体とする転移性皮膚癌の本邦報告例を集計し統計的考察を行ったところ,原発臓器は従来いわれているように乳癌が最も多いが,胃癌も20%と乳癌に次いで多く,胃癌の病型の記載のあるものは全例Borrmann4型であった.また胃癌を原発とする症例は原発巣に近い体幹,しかも左側に多く発生しており,これは胃からの解剖学的なリンパ経路と何らかの関係があるのではないかと推察された.③紅斑を主体とする転移性皮膚癌はその臨床症状の多彩さから,さまざまな分類がなされ,さまざまな名称で呼ばれており,統一された見解が確立していないため論議が重ねられている.我々は,紅斑を主体とするものを紅斑型と一括し,転移性皮膚癌を結節型,紅斑型,硬化型の3型に分類し,さらに紅斑型を丹毒様癌,紅斑癌と分類することを提唱したい.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.