Japanese
English
症例報告
仙骨部の紅斑を呈した尿管癌皮膚転移の1例
A case of skin metastasis of renal ureteral cancer presenting as erythema on the sacral region
関 満里奈
1
,
大草 健弘
1
,
武井 華子
1
,
荻原 麻里
1
,
鈴木 茉莉恵
1
,
伊藤 雄太
1
,
中田 土起丈
1
,
山本 向三
2
Marina SEKI
1
,
Takehiro OKUSA
1
,
Hanako TAKEI
1
,
Mari OGIHARA
1
,
Marie SUZUKI
1
,
Yuta ITO
1
,
Tokio NAKADA
1
,
Kozo YAMAMOTO
2
1昭和大学藤が丘病院皮膚科
2山本皮フ科クリニック
1Department of Dermatology, Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama, Japan
2Yamamoto Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
腎盂尿管癌
,
転移性皮膚癌
Keyword:
腎盂尿管癌
,
転移性皮膚癌
pp.257-261
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206605
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要約 80歳,男性.初診5年前に尿管癌のため左腎尿管全摘除および放射線療法を施行された.初診1年前に傍大動脈リンパ節転移が出現したが化学療法は希望しなかった.初診1か月前に仙骨部に瘙痒感および疼痛を伴う皮疹が出現したため近医を受診,当科を紹介された.仙骨部に比較的境界明瞭な,軽度の浸潤を触れる紅斑局面を認めた.淡紅色で一部紫紅色調を呈し,瘙痒感を伴っていた.皮膚生検では,真皮上層から皮下組織にかけて,索状,胞巣状に増殖する細胞集塊を認めた.腫瘍細胞は異型性に富み,免疫組織学的にCK7に陽性,CK20一部で陽性,uroplakinは一部で弱陽性であった.以上より尿管癌の皮膚転移と診断した.転移様式としては傍大動脈リンパ節からの逆行性の浸潤が考えられた.腎盂尿管癌の皮膚転移例は稀であるが,既報告例では自験例のような紅斑を含め多様な病変がさまざまな部位に生じている.腎盂尿管癌の患者では,全身皮膚を注意深く診察する必要がある.
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