Japanese
English
症例報告
食道癌皮膚転移の2例
Two Cases of Cutaneous Metastasis of Esophageal Carcinoma
井出 瑛子
1
,
浦 亜紀子
1
,
桜岡 浩一
1
,
早川 和人
1
,
仲 弥
1
,
多島 新吾
1
Akiko IDE
1
,
Akiko URA
1
,
Koichi SAKURAOKA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Wataru NAKA
1
,
Shingo TAJIMA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Departrnent of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
転移性皮膚癌
,
食道癌
,
mucoepidermoid carcinoma
,
腺癌
Keyword:
転移性皮膚癌
,
食道癌
,
mucoepidermoid carcinoma
,
腺癌
pp.479-483
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204104
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
食道癌より皮膚転移を生じた2例を報告した.2例とも初診時顔面に単発の結節として認められた.組織学的には症例1はmucoepidermoid carcinoma,症例2は腺癌であり,いずれも食道癌としては稀な組織型であった.症例1では原発巣発見に先立って,また症例2では原発巣を摘除して9カ月後に皮膚転移を認めているが,ともに皮膚転移出現時には他臓器への転移は明らかではなかった.食道癌の皮膚転移は稀であるが,過去20年間の本邦皮膚科領域報告例9例の統計からみると,40〜60歳代,男性の頭部,顔面に単発の結節として生じ易いものと考えられた,中高年者の皮膚に増大傾向の強い結節性病変を認めた場合,悪性腫瘍の既往がない症例においても転移性皮膚癌を疑い,生検等を含めた積極的な検索が必要と思われた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.