Japanese
English
原著
多発性グロムス腫瘍
Multiple Glomus Tumor
坂本 ふみ子
1
,
東條 猛
2
Fumiko SAKAMOTO
1
,
Takeshi TOJO
2
1新潟大学医学部皮膚科学教室
2新潟大学医学部整形外科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Department of Orthopedic Surgery, Niigata University School of Medicine
pp.855-862
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202498
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21歳女子の多発性グロムス腫瘍の症例を報告した.両側母指爪下,左手関節掌側,左示指にそれぞれ有痛性の腫瘤が,また腹部に多数の無痛性皮疹が集簇性にみられた.組織学的に有痛性腫瘤は巣状のグロムス細胞と共に,筋性細胞の増殖像を含む血管性構造が目立ち,一方無痛性皮疹は,1〜4層の層状グロムス細胞にかこまれた拡大血管が主要病変であった.また両者の病巣部に弾力線維を,病巣周囲に特異な動静脈吻合構造を認めた.
本邦の多発性グロムス腫瘍について,発症年齢,発生部位,腫瘤の数,疼痛の有無などを検討し,本腫瘍における弾力線維,筋性細胞などの病理発生学的意義について考察した.
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