Japanese
English
症例報告
悪性血管内皮細胞腫の1例
A Case of Malignant Haemangioendothelioma
小野寺 有子
1
,
野田 淳子
1
,
桜岡 浩一
1
,
増田 光喜
1
,
清水 宏
1
,
仲 弥
1
,
西川 武二
1
Yuhko ONODERA
1
,
Junko NODA
1
,
Koichi SAKURAOKA
1
,
Mitsugi MASUDA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Wataru NAKA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
悪性血管内皮細胞腫
,
電顕的検索
,
免疫組織化学的検索
,
治療
Keyword:
悪性血管内皮細胞腫
,
電顕的検索
,
免疫組織化学的検索
,
治療
pp.363-368
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204083
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56歳,女性の悪性血管内皮細胞腫の1例を報告した.皮疹は左側頭部全体に瀰漫性に軽度隆起する板状硬,暗紅色の局面で,腫瘤形成は認めなかった.組織学的に腫瘍細胞は真皮全層に亘り,索状,胞巣状に増殖し,一部には管腔形成を認めた.腫瘍細胞は第VIII因子関連抗原陽性,電顕的にWeibel-Palade顆粒を有し,血管内皮細胞に由来した腫瘍であることが確認された,治療としてLinac 6,000 rad照射,CYVADIC療法およびadriamycin動注を施行したところ,病変部の硬結および紅斑は徐々に消退し,治療後の皮膚生検組織像では腫瘍細胞の減少を認め,治療開始後1年3カ月を経た現在,再発をみない.本症の組織学的診断には,通常のHE染色の他,免疫組織化学的ならびに電顕的検索が必要であると考えた.
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