指のBowen病の2例—乳頭腫ウイルス抗原陽性例と外陰部Bowenoid Papulosis様病変併発例

Two Cases of Bowen's Disease on the Finger--A Case Demonstrated Papillomavirus Antigen and a Case Associated with Bowenoid Papulosis-like Lesions of the Genitalia

　比較的稀と思われる指発症のBowen病の73歳，男例（症例1）と35歳，男例（症例2）を報告した．症例1で注目すべきことは，免疫組織化学的に顆粒層の空胞化細胞の核に一致して乳頭腫ウイルス抗原が陽性であったことと胃癌を合併していたことである．症例2で興味あることは，免疫組織化学的に乳頭腫ウイルス抗原は陰性であったが，外陰部にbowenoid papulosis様病変が合併していたことである．以上の2症例の経験から，指のBowen病の発症にヒト乳頭腫ウイルスの関与が示唆された．