Japanese
English
症例報告
趾間部に生じたヒト乳頭腫ウイルス陽性Bowen病の1例
A Case of Human Papilloma Virus-positive Bowen's Disease on the Interdigital Area of the Foot
山中 克二
1
,
戸倉 新樹
2
,
平松 洋
3
Katsuji YAMANAKA
1
,
Yoshiki TOKURA
2
,
Hiroshi HIRAMATSU
3
1県西部浜松医療センター皮膚科
2浜松医科大学皮膚科学教室
3平松皮膚科医院
1Division of Dermatology, Hamamatsu Medical Center
2Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Bowen病
,
ヒト乳頭腫ウイルス
Keyword:
Bowen病
,
ヒト乳頭腫ウイルス
pp.1005-1008
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901031
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33歳,男.初診の約3カ月前より気づいた左第4趾間の黒色扁平腫瘤を主訴に受診.組織学的に,表皮細胞全体の配列の乱れ,核の大小不同,核分裂像,多数の異常角化細胞,clumping cellがみられ,Bowen病と診断した,免疫組織化学染色により顆粒層の空胞化細胞に一致するヒト乳頭腫ウイルス抗原陽性所見が得られた.また腫瘍組織より抽出したDNAに対して32P標識RNA(HPV 6, 11, 16, 18, 31, 33,35各型のDNAに相補的なRNAの混合物)をプローブとして用いるDNA-RNAハイブリダイゼーション法を行い,HPV陽性所見を得た.抽出DNAはpolymerasechain reactionにて増幅し,制限酵素で処理後,対照として用いたHPV−16型感染細胞よりのDNAと一致した.臨床的には小黒色斑が融合拡大して局面を形成したと想像できるので,bowenoid papulosisからBowen病に進行した症例と考えられた.
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