Japanese
English
症例報告
腫瘤状を呈したbowenoid papulosisの1例
A case of bowenoid papulosis showing tumor-like feature
平田 順子
1
,
千葉 直子
1
,
石崎 純子
1
,
繁益 弘志
1
,
原田 敬之
1
Junko HIRATA
1
,
Naoko CHIBA
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Hiroshi HAN-YAKU
1
,
Takashi HARADA
1
1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Daini Hospital
キーワード:
bowenoid papulosis
,
腫瘤
,
ヒト乳頭腫ウイルス
Keyword:
bowenoid papulosis
,
腫瘤
,
ヒト乳頭腫ウイルス
pp.605-607
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902945
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75歳,男性.陰茎基部にカリフラワー状に隆起した腫瘤を認め,陰茎,陰嚢には多発性の黒褐色丘疹を認めた.この黒褐色丘疹は組織学的に軽度の細胞の配列の乱れと核の大小不同を認め,その臨床所見ならびに組織像よりbowenoidpapulosisと診断した.一方,隆起性の腫瘤は黒褐色丘疹が集簇し,その一部が上方に突出したような構築を示しており,組織学的に構成する腫瘍細胞はクロマチンに富み,核の大小不同,配列の不整を認めたが基底膜は保たれていた.すなわち,黒褐色丘疹と同様にBowen病類似の組織像であった.このことよりカリフラワー状の皮疹はbowenoid papulosisの皮疹が集簇し,その一部が腫瘤状に隆起したものと考えた.高齢者のbowenoid papulosisの報告は少なく,特にその自然経過を観察する機会が乏しいが,自験例は高齢者に発症し,長期間放置されていたため皮疹が徐々に成長し,特異な病像を呈した稀な例と考えられた.
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