Japanese
English
原著
肉芽腫性口唇炎—歯周炎の治療後治癒した1例
A Case of Cheilitis Granulomatosa
近藤 慈夫
1
,
麻生 和雄
1
,
安川 和夫
2
Shigeo KONDO
1
,
Kazuo ASO
1
,
Kazuo YASUKAWA
2
1山形大学医学部皮膚科教室
2山形大学医学部歯科口腔外科教室
1Department of Dermatology, Yamagata University School of Medicine
2Department of Dental and Oral Surgery, Yamagata University School of Medicine
pp.111-116
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203831
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53歳,男子.初診の約1年前から下口唇の腫脹あり.溝状舌もみられるが顔面神経麻痺はみられない.口唇腫脹部の組織像では,真皮に血管周囲性の小単核球およびプラズマ細胞の浸潤巣,および類上皮細胞性の肉芽腫があり,肉芽腫性口唇炎と診断した.2ないし3週に1回,トリアムシノロンの局所注射を行い腫脹は減少したが完治せず,やがて下口唇健常皮膚に新たに浮腫性皮疹を生じてきた.患者の下顎には局部床義歯が装着されていたが,残存している前歯部歯牙4本に慢性辺縁性歯周炎が認められ,しかもそのうち1本に慢性根尖性歯周炎も認められ,これらの治療を開始したところ,口唇の腫脹が急速に消褪し,歯の治療開始以後10カ月の現在まで再発がない.
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