Japanese
English
原著
Nodular Fasciitis—病理組織学的,電子顕微鏡的検討
Nodular Fasciitis--Its Histopathological and Electron Microscopical Study
勝俣 道夫
1
,
野崎 清恵
2
Michio KATSUMATA
1
,
Kiyoe NOZAKI
2
1東京医科歯科大学医学部皮膚科教室
2関東逓信病院ウイルス研究部
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Virology, Kanto Teishin Hospital
pp.117-122
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203832
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21歳,女子の左前腕に生じた15×10mmの弾性硬,表面常色で自発痛を伴う皮下結節につき報告した.組織像は皮下脂肪織深部から筋膜直上部にかけ増殖する病変で,辺縁部では粘液腫様の間質中に線維芽細胞様細胞が,中央部では線維芽細胞ないし組織球様細胞の増殖が毛細血管と赤血球塊に混じて認められ,破骨巨細胞様細胞も多数存在することより結節性筋膜炎と診断した.本症の概要について言及し,既報告例の検討よりその組織像はmyxoid, cellular, fibrousの3型に分類でき,Shimizuらの指摘するごとく,経時的にmyxoidからcellular,そしてfibrous typeに移行する可能性があると考えた.電顕的検索では病変細胞の多くはmyofibroblastに類似する細胞で,破骨巨細胞様細胞は組織球様細胞であったが,明瞭な貪食像は認められなかった.この巨細胞と増殖性筋膜炎にみられるganglion cellに類似した大型細胞との比較検討を行い,この両者は形態的にかなりの差異があると思われた.
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