Japanese
English
原著
月経前に増悪傾向を示した掌蹠膿疱症
A Case of Pustulosis Palmaris et Plantaris Showing a Tendency to Aggravate in Premenstrual Period
堀口 典子
1
,
堀口 裕治
1
,
今村 貞夫
1
,
藤井 信吾
2
Michiko HORIGUCHI
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
,
Sadao IMAMURA
1
,
Shingo FUJII
2
1京都大学医学部皮膚科教室
2京都大学医学部婦人科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyoto University
2Department of Gynecology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.507-510
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203697
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23歳,女性.昭和53年7月7日初診.月経痛,月経不順のため,不明の女性ホルモン剤を服用していたことがある.18歳頃より掌蹠および爪床に膿疱が生じるようになり,組織学的には,角層下のKogoj海綿状膿疱を示した.皮疹は黄体期に悪化し,月経開始とともに軽快する傾向を示した.また,尿中プロゲステロン代謝物の軽度の低値を示した.通常は皮疹の増悪しない卵胞期を選んでプロゲステロン製剤であるノルエチステロン5mgを1回投与したところ,一過性に膿疱が新生した.一方,エストロゲン製剤であるメストラノルの継続投与を行ったところ排卵が抑制され,月経前の皮疹の増悪も抑制された,本症では黄体期に増加するプロゲステロンの好中球に対する遊走能亢進作用により,掌蹠膿疱症が周期的に増悪したものと考えた.
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