Derm.'98
喫煙と掌蹠膿疱症
堀口 大輔
1
1静岡市立静岡病院皮膚科
pp.70
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902514
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学生時代の皮膚科のポリクリ,その後皮膚科の医局に入局してからの研修医時代を通じて,山田瑞穂前浜松医大皮膚科教授がどんな患者さんが来ても「たばこをやめなさい.あんなものが皮膚にいいわけがないでしょう.」と話されるのを聞いて愛煙家の私はいつも小さくなっていたものでした.でも私は最近は少々しわやしみは出来たものの,いわゆる皮膚病というものには縁がないもので,患者さんにも禁煙を勧めたことはなかったのです.ところがこの5年ぐらいの間に外来を受診した掌蹠膿疱症の患者さんのほとんど(女性は100%)が喫煙者(多くは1日20本以上のヘビースモーカー)であり,さすがに禁煙を指導するようになりました.しかし禁煙しただけではこの難治な病気は治るものではなく,いろいろな薬剤を使ったり,中には耳鼻科に頼んで扁桃摘出をしてもらったりしておりました.そんなある日,外来の看護婦さんの一言,「先生,そういえば掌蹠膿疱症のデパートの店員さん.ストレスでたばこ吸いすぎたらきれいになっちゃったって言ってましたよ.」あれだけいろいろやって治らなかったのにわからんものです.
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