Japanese
English
原著
結節性類天疱瘡(Pemphigoid Nodularis)の1例
Pemphigoid Nodularis
山本 昌充
1
,
堂阪 直子
1
,
堀口 裕治
1
,
段野 貴一郎
1
,
堀尾 武
1
,
今村 貞夫
1
Masamitsu YAMAMOTO
1
,
Naoko DOSAKA
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
,
Kiichiro DANNO
1
,
Takeshi HORIO
1
,
Sadao IMAMURA
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.503-506
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203696
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症例:77歳女性.昭和59年6月頃より,全身に孤立性の充実性丘疹が多発した.皮疹は一時軽快したが,翌年の昭和60年2月初旬より,全身に拇指頭大の水疱が出現し,組織学的および螢光抗体法所見より,水疱性類天疱瘡と診断された.水疱は副腎皮質ホルモン剤の内服にて寛解したが,昭和61年1月に水疱の再燃をみた,経過中,水疱の出現前および消褪後に,四肢と背部に瘙痒を伴う充実性丘疹が多発した,丘疹性の皮疹は組織学的に角質の増殖,表皮肥厚,真皮毛細血管の拡張と付属器周囲の小円形細胞の浸潤を認め,一部には表皮下水疱の形成をみた,また丘疹部では水疱部と同様に表皮基底膜部に線状のIgGと補体(C3)の沈着を認めたが,無疹部ではかすかにIgGの沈着をみたのみであった.以上の所見から,本症を水疱性類天疱瘡の一亜型である結節性類天疱瘡(pemphigoid nodularis)と診断した.
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