特集 病態から考える薬物療法
第Ⅶ章 膿疱症
1 掌蹠膿疱症
八束 和樹
1
,
村上 正基
1
Kazuki YATSUZUKA
1
,
Masamoto MURAKAMI
1
1愛媛大学大学院医学系研究科,分子・機能領域,皮膚科学
キーワード:
掌蹠膿疱症
,
表皮内汗管
,
表皮内水疱
,
水疱内膿疱
,
角化異常
Keyword:
掌蹠膿疱症
,
表皮内汗管
,
表皮内水疱
,
水疱内膿疱
,
角化異常
pp.754-758
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003261
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掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis,以下PPP)は,手掌,足底に,無菌性膿疱(図1-a)が長期にわたって出現・消退を繰り返す疾患である。突如として膿疱が生じるわけではなく,典型的には小水疱に始まり,それが膿疱へと転じる過程で,特徴的なpustulo-vesicles(図1-b)を呈する1)。経過中には紅斑,鱗屑,痂皮,過角化,亀裂を伴い,症状の強い症例では家事や歩行が困難となることもある。しばしば掌蹠のみならず,四肢伸側主体に鱗屑をつける紅斑を伴うことが知られており,本邦では掌蹠外皮疹としてPPPの一症状として扱われる。本皮疹は,乾癬でみられる角化性紅斑性局面と誤診されることもあるが,より紅斑の浸潤は軽度であり,境界も不明瞭であることが多い2)。
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