Japanese
English
原著
Alopecia Neoplasticaの1例
A Case of Alopecia Neoplastica
田中 友紀子
1
,
大草 康弘
1
,
長島 正治
1
Yukiko TANAKA
1
,
Yasuhiro OOKUSA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
1杏林大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
pp.511-515
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203698
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79歳.女性の乳癌の転移により生じたalopecia neoplasticaの1例を報告した.乳癌切除4年6カ月後に右側頭部に光沢のある1.7×1.5cm,類円形,皮表よりわずかに隆起する境界明瞭,基底とわずかに可動性のある淡紅色の硬い脱毛局面を1個認めた.組織学的には真皮,皮下組織に浸潤する硬癌であり,腫瘍細胞による毛包の破壊,圧迫による萎縮がみられた.腫瘍細胞には電顕的に細線維,細胞質内腺管がみられ,乳癌の転移と診断された,本症の脱毛の機序について腫瘍細胞による毛包の破壊および結合織増生を含めた腫瘍細胞巣による毛包の圧排が考えられた.また原発巣の検索には電顕的検索が極めて有用であることを述べた.
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