Japanese
English
原著
Multiple Hamartoma症候群(Cowden's Disease)の1例
A Case of Multiple Hamartoma Syndrome (Cowden's Disease)
原田 玲子
1
,
東 冬彦
2
,
露木 晃
3
,
大橋 正次郎
3
Reiko HARADA
1
,
Fuyuhiko HIGASHI
2
,
Akira TSUYUKI
3
,
Shojiro OHASHI
3
1東京電力病院皮膚科
2東京電力病院内科
3東京電力病院外科
1Division of Dermatology, Tokyo Denryoku Hospital
2Division of Internal Medicine, Tokyo Denryoku Hospital
3Division of Surgery, Tokyo Denryoku Hospital
pp.841-846
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203528
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46歳,女性に認められたmultiple hamartoma症候群(Cowden病)の1例を報併した,自験例では顔面,四肢,特に末端に,正常皮膚色角化性ないし表面平滑な小丘疹が多発し,躯駆幹の血管腫,大腿の血管脂肪腫も認められた.既往に乳癌,甲状腺腺腫があり,精査の結果,子宮筋腫および食道から直腸にかけて多発性ポリープが見出され,胃のポリープの一部に悪性像が認められた.本症は本邦においては未だ稀な疾患であるが,多臓器に亘る良性および悪性腫瘍を合併する点が重要である.また,multiple trichilemmomaの存在が本症の診断に不可欠とする指摘もあるが,集積された症例から見ると,顔面の小丘疹は毛嚢の形成異常の範疇に属するものと考えたい.診断に当たっては,四肢の角化性丘疹,口腔粘膜の発疹も重要と考えた.
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