これすぽんでんす
「皮膚腫瘍に伴う続発性皮膚アミロイド症」を読んで/「Angio-Immunoblastic Lymphadenopathy (Frizzera)の1例」を読んで
斎藤 義雄
1
1群馬大学
pp.1124
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202159
- 有料閲覧
- 文献概要
岡田氏らが皮膚腫瘍のうちボーエン病,老人性疣贅および堪底細胞上皮腫を組織化学的に検索し,特にボーエン病で50例中19例(38%)の高率に局所型のアミロイドーシスを証明し,特徴的所見として腫瘍細胞巣に限局性に,また腫瘍の経過年数が長くかつ腫瘍が大きいほどアミロイドが証明し易いと報告している(本誌,33(5);387-390,1979).この論文で問題となるのはやはりアミロイドの生成機序,すなわち局所型続発性アミロイドーシスにおいて如何なる機序でアミロイド沈着が生じるかであろう.
骨髄腫に伴った全身性アミロイドーシスに関して最近都留ら1)はベンスジョーンズ蛋白が結合織に溢出し,線維芽細胞に貧食され,細胞内酵素により蛋白分解を受けてアミロイド線維が作られると推定している.局所型原発性アミロイドーシスについては橋本2)はアミロイド線維は線維芽細胞で産生されるとしたが,Ebnerら3)は表皮細胞内均一性ないし線維性小体をアミロイドの前駆物質として注目している.さらに,皮膚腫瘍に伴うアミロイドーシスに関して橋本は腫瘍細胞の変性からアミロイドが生じる可能性を否定していない.しかし,この場合も線維芽細胞のアミロイド線維産生を重視している.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.