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笹岡氏等の綜説:"皮疹を伴うT-リンパ球増殖性疾患—Sézary症候群とその周辺—"を読んで,官野氏の論文:"菌状息肉症ト胸腺淋巴性体質"を回想する
ON SASAOKA ET AL'S GENERAL REMARKS:"T-LYMPHOCYTE PROLIFERATIVE DISORDERS WITH CUTANEOUS ERUPTIONS—SEZARY'S SYNDROME AND ITS RELATED DISEASES—"WITH RECOLLECTION OF KANNO'S ARTICLE : "MYCOSIS FUNGOIDES AND STATUS THYMICOLYMPHATICUS"
北村 包彦
1
Kanehiko KITAMURA
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical Collage
pp.231-232
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201868
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最近の発表に係わる笹岡氏等の綜説:"皮疹を伴うT-リンパ球増殖性疾患――Sézary症候群とその周辺――"を読んで,往年の官野氏論文:"菌状息肉症ト胸腺淋巴性体質"を回想した.官野氏は本症患者の剖検に胸腺の残存を認め,リンパ質又は胸腺リンパ性体質の者に或る未知の原因の作用する時菌状息肉症を発生すると推論している.しかし今や笹岡氏等謂うところのcutaneous T-cell lymphomaとしての菌状息肉症に於けるT-cellの胸腺被支配性,そして皮膚親和性に照して,官野氏の菌状息肉腫症例を胸腺リンパ性体質の胸腺の残存に結びつける.同時に胸腺の残存,腫大が皮膚細網症乃至リンパ網内系腫瘍の免疫異常に対して持つ意義を考えてよいのではないだろうか.これは笹岡氏等の綜説から官野氏の論文を顧みての感想である.
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